桃の花が店頭に並ぶようになると、子どもの頃、母とおひな様を飾っていた光景を懐かしく
思い出す時がある。
お雛様の顔にも色々あって..でも祖父が買ってくれたというそのうりざね顔したそのお雛様の顔が私は大好きで...。
毎年、箱から紐を解いて飾る時には妙に新鮮で、大きな桐箱の中から次々と和紙で包まれているお雛様達を並べていったものでした。「いつまでも飾りっぱなしにしておくとお嫁に行きそびれますよ...」なんて母から言われながら片付ける時は一つ一つが細かくとても面倒な作業だった記憶しか残っていない..その為か、何十年振りかに紐を解いた時には随分と小さなパーツが無くなっていたような気がする。あれ以来納戸にしまわれたままのお雛様...。
毎年、気にはなるもののどうしても紐を解く事が出来ずにいる。
いつか、紐を解いてあげなければ....。